向日葵の園
「ほんとのとこ、どーなの?調子いいの?」

「夏休み入るまでの練習次第だなー。もう少しタイム縮めたいし」

「せーっかくひまと応援行くんだからガッカリさせないでよー?」

「綴、プレッシャーよくない」

「もー。ひまはそうやってすぐ都を甘やかすんだから」

「ひまだけだよ。俺の味方は」

綴も都も基本的に、私に甘い。
その甘さがツラくなる。

二人にどれだけ優しくされたって、
本当に恋し合ってるのは綴と都なんだもん。

ホームルームが始まるチャイムが鳴って、
二人とも自分達の席へと戻っていった。

私の席は教室のド真ん中。
綴と都は窓側の、一番前に二人並んで座っている。

くじ運の神様ですら二人に味方しているのなら
たかが人間の私が勝てるはずもない。

今日もまた、二人の背中を見つめ続ける一日が始まった。
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