向日葵の園
四
都市伝説の女神
「さて、と。こいつらにばかり構っていられないからね」
部屋には巨大なカプセルの他に、
太くて長いホースみたいな管が繋がった四角い箱がある。
焼却炉みたいな形だった。
憂さんはハンドルを回して、重たそうな鉄扉を引き開けた。
なんにも入っていない、空っぽの鉄の塊。
ガタガタと四肢を震わせて呆然と見ていることしかできない私を尻目に、
憂さんは少し息を荒くしながらも都を持ち上げて、その箱の中に放り投げた。
綴のことも同じようにして…。
脱力した体は本当に重たいね、なんて
大仕事を成し遂げた後みたいに腰に手を当てて、
大きく息を吐いた。
「どうするんですか…」
「おいで」
その呼びかけに拒否権は無い。
私の体は吸い寄せられるみたいに憂さんの隣へと移動した。
「このボタン、押してみて」
憂さんが指をさす、なんの変哲もない銀色のボタン。
指先で触れたらひんやりと冷たくて、
まだ物の温度を感じる自分の感覚が不思議だった。
部屋には巨大なカプセルの他に、
太くて長いホースみたいな管が繋がった四角い箱がある。
焼却炉みたいな形だった。
憂さんはハンドルを回して、重たそうな鉄扉を引き開けた。
なんにも入っていない、空っぽの鉄の塊。
ガタガタと四肢を震わせて呆然と見ていることしかできない私を尻目に、
憂さんは少し息を荒くしながらも都を持ち上げて、その箱の中に放り投げた。
綴のことも同じようにして…。
脱力した体は本当に重たいね、なんて
大仕事を成し遂げた後みたいに腰に手を当てて、
大きく息を吐いた。
「どうするんですか…」
「おいで」
その呼びかけに拒否権は無い。
私の体は吸い寄せられるみたいに憂さんの隣へと移動した。
「このボタン、押してみて」
憂さんが指をさす、なんの変哲もない銀色のボタン。
指先で触れたらひんやりと冷たくて、
まだ物の温度を感じる自分の感覚が不思議だった。