~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「ルゼ様は、レビエラ王国があまり好きじゃないんですか?」
「え……いや、そうじゃないんです。ただ、僕は、第三王子殿下――アルサイド様と時々手紙で話すから、そのように感じていて」

 ルゼは、ぼんやりとタペストリーを見やりながら、説明してくれた。
 聞けばどうやら、第三王子は、幼い頃からずっと両親や他の兄弟とも遠ざけられ、家族というものというのがわからずに育てられたらしい。
 ずっと王宮から遠く離れた屋敷の奥に閉じ込められ、使用人以外とは口を利くことも許されず、御簾(みす)の奥で毎日決められた役割をただこなす無為な生活を送っていると。

 そういえばルゼも顔を合わせたことはないって言ってたんだっけと、ジェミーは第三王子の話を聞けば聞くほどかわいそうに思えて来る。いくら立場ある存在だとはいえ、それではまるで置物かなにかのようだ。

「それはなんというか、ずいぶん寂しそうな生活ですね。年の近いお友達とかは?」
「いないそうです。第三王子は、レビエラ王家の血筋の保存媒体でしかないから。不測の事態があって、表の血筋が絶えてしまった時に、それを復活させるためのね――。だから、不必要な人との関わりなんて許されていない。僕はそんな彼と自分を少し、重ねているのかもしれない」
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