~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
微動だにせず立ち続ける彼らに生唾を飲み下すと、ミリィは呼吸を整え、その先に歩き出した。
「なにやつ!」
ただちに、曲がり角から姿を現した人影に気づく近衛兵。
しかし、次の瞬間彼らは警戒を解いた。
「クラフト殿下」
「ご苦労」
近衛たちが自分の目の前でビシッと敬礼したのを見て、ミリィは内心そっと息を吐く。本来、こんなところに入り込んだミリィを真っ先に糾弾するはずの彼らの視線には、疑いの色はまったくない。
そう、彼女は母の手により、完全にクラフトの姿に化けさせられた状態で王宮に入り込んだのだ。これも、他国にて諜報活動を行う機会の多かった茫漠の魔女、ナタリエのなせる業。
中でも一番気を使ったのは顔周りの印象で、特にクラフトのあの濃い青色の瞳は、レビエラ王国人によくあるようなミリィの薄青色の瞳とは印象から異なる。そのあたり、瞳の色が濃く見えるよう、特殊な色付き目薬を使って調整し、さらにアイシャドーを使ってそれを強調、同時に顔立ちも男性らしく整えた。
「なにやつ!」
ただちに、曲がり角から姿を現した人影に気づく近衛兵。
しかし、次の瞬間彼らは警戒を解いた。
「クラフト殿下」
「ご苦労」
近衛たちが自分の目の前でビシッと敬礼したのを見て、ミリィは内心そっと息を吐く。本来、こんなところに入り込んだミリィを真っ先に糾弾するはずの彼らの視線には、疑いの色はまったくない。
そう、彼女は母の手により、完全にクラフトの姿に化けさせられた状態で王宮に入り込んだのだ。これも、他国にて諜報活動を行う機会の多かった茫漠の魔女、ナタリエのなせる業。
中でも一番気を使ったのは顔周りの印象で、特にクラフトのあの濃い青色の瞳は、レビエラ王国人によくあるようなミリィの薄青色の瞳とは印象から異なる。そのあたり、瞳の色が濃く見えるよう、特殊な色付き目薬を使って調整し、さらにアイシャドーを使ってそれを強調、同時に顔立ちも男性らしく整えた。