~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
そのことを考えると、いくら帝国が第一王子側に着いたと言っても看過できない――いや、もはや確実に王太子陣営と拮抗する状態にあるだろうと、最も信を置くべき彼がそう告げたのだ。
「デール様。これはもはや……」
打つ手がない。このままでは、どちらの勢力が大きいか判然としないまま王権移譲の儀に雪崩れ込んでしまう――言わずともそのような内容を、ロドムの表情は物語っている。
そして彼の計算では、わずかにこちらに分が悪いのだろう。デールも同じ考えだ。
復活したエキュリゼ家は、ロドリエ商会の潤沢な資金を背景にかなりの数の貴族を取り込んだ。
それに古くからレビエラ王国を支え続け、政府の信任も厚いペリエライツ家が加わるとなれば、国王の長子であるというという事実と、宰相のロドムや新興のフーバー家の後援を加味しただけでは、あちら側に対抗できる見込みは薄い。
実際の王位継承者は、王権移譲の儀の直前に行われる貴族議会の信任投票で決まる。いかな小細工を弄しようと、その場で起きた決定だけは覆せない。
「引き続き、働きかけは行ってまいりますが……。後は、運を天に任せましょう。正しき神のご加護は、正当なる血筋を継ぐあなた様にこそ宿っておいでです」
「デール様。これはもはや……」
打つ手がない。このままでは、どちらの勢力が大きいか判然としないまま王権移譲の儀に雪崩れ込んでしまう――言わずともそのような内容を、ロドムの表情は物語っている。
そして彼の計算では、わずかにこちらに分が悪いのだろう。デールも同じ考えだ。
復活したエキュリゼ家は、ロドリエ商会の潤沢な資金を背景にかなりの数の貴族を取り込んだ。
それに古くからレビエラ王国を支え続け、政府の信任も厚いペリエライツ家が加わるとなれば、国王の長子であるというという事実と、宰相のロドムや新興のフーバー家の後援を加味しただけでは、あちら側に対抗できる見込みは薄い。
実際の王位継承者は、王権移譲の儀の直前に行われる貴族議会の信任投票で決まる。いかな小細工を弄しようと、その場で起きた決定だけは覆せない。
「引き続き、働きかけは行ってまいりますが……。後は、運を天に任せましょう。正しき神のご加護は、正当なる血筋を継ぐあなた様にこそ宿っておいでです」