~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「えー、あなた方の婚姻証書を受理する際に確認した署名はですなー。おふたり自身のものと国王様、それから現在ジェミー様の後見役となっておられるルブロ・ヴォルド伯爵のものとなっておりますです、はい」
「へえ、そうなの(やっぱりそうなってたんだ)」

 カーライルの父親であり、レビエラ国内の領地で酒類の製造に勤しんでいるルブロ叔父が、クラフトとの結婚をジェミーに確認も取らず一方的に認めてしまったというのは記憶に新しい。

 だが、改めてじっくり考えると、本来自分が引き受けるはずの公爵代行の仕事を放り出してジェミーに任せたあげく、クラフトの要請に従ってまんまとサインをしてしまうとは、いったいどういうつもりなのか。

(はっ! まさか、私がクラフト殿下に嫁入りすれば、ペリエライツ家の実権を自分が握ることができるとか考えているんじゃないでしょうね?)

 ルブロは父ガースルを嫌っている。
 それに目をつけたクラフトがなんらかの密約を交わし、息子のカーライルを将来のペリエライツ家の当主につけるという条件のもと、彼にそんなことを了承させた、なんて推理がジェミーの頭に並べられていく。

(結構いい線いってるんじゃない? でも、なら私に家の仕事を任せないで、自分で当主代行を務めればやりたい放題できるんじゃないの?)
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