~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
となると……ジェミーのあの場所への来訪はクラフトにとって、あり得ないとは言わないまでも想定したうちのかなり特殊な状況だった可能性がある。その予定外が、彼の計画にとってマイナスに働くことがあれば――。
そこまで考えて、ジェミーはひとつ思いついたことがあった。
(そだ。いっそ、このままデール王太子に保護を願い出るってのはどうかしら? いや……ちょっと無理そうね)
しかし、よくよく考えた上その作戦は取れそうにないと感じた。
この姿のまま王宮にいったとして、すんなりデール王太子に会えるとは限らないからだ。なにせ現状ジェミーはクラフトの婚約者。ジェミーが彼に面会を求めたところで、王子妃になる予定の娘が供も連れずに他の王子に会おうとするなど、おそらく王宮側がよしとすまい。クラフトに知らされてゲームオーバー、なんてことになったらこうして苦労して屋敷を脱出してきた意味もなくなってしまう。
(だけど、結婚自体の情報はデール王太子にも伝わってるはず。いまいち信用できない相手だけど、このまま手をこまねいて見ているなんてことを、彼はしないはずだわ。必ず式までになにか起こる。今はそれに備えて、私は自分でできることを進めるべき。よし、ヴォルド領に行こう)
そこまで考えて、ジェミーはひとつ思いついたことがあった。
(そだ。いっそ、このままデール王太子に保護を願い出るってのはどうかしら? いや……ちょっと無理そうね)
しかし、よくよく考えた上その作戦は取れそうにないと感じた。
この姿のまま王宮にいったとして、すんなりデール王太子に会えるとは限らないからだ。なにせ現状ジェミーはクラフトの婚約者。ジェミーが彼に面会を求めたところで、王子妃になる予定の娘が供も連れずに他の王子に会おうとするなど、おそらく王宮側がよしとすまい。クラフトに知らされてゲームオーバー、なんてことになったらこうして苦労して屋敷を脱出してきた意味もなくなってしまう。
(だけど、結婚自体の情報はデール王太子にも伝わってるはず。いまいち信用できない相手だけど、このまま手をこまねいて見ているなんてことを、彼はしないはずだわ。必ず式までになにか起こる。今はそれに備えて、私は自分でできることを進めるべき。よし、ヴォルド領に行こう)