~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
これ以上役所に長居して面倒に思われ、王宮の方に連絡されても困る。
目的を達したならとっとと退散しよう。にわかに希望が湧いてきたジェミーは考えをまとめると、ころころ変わるジェミーの百面相に付き合って、はわはわしたりにこにこしたりしている所長に礼を言った。
「ありがと。知りたいことはわかったわ。ええと、あなた、ハロルドさんとおっしゃるのね」
「ハ、ハッ。王国から、こちらのまとめ役を仰せつかっておりますです、はい」
衣服の胸元につけていたバッジを凝視され、ハロルド氏が気を付けの姿勢で制止した。
そんな彼にジェミーは目を合わせると、下から覗き込むようにして薄っすら微笑んだ。
「ねぇ。くれぐれも、私がここを訪れたことは他言無用にお願いするわね? もし、これがどこかに漏れた場合……どうなるか、わかるわよね?」
「も、もちろんでございますッ! わたくしの口は貝よりも、いやダイヤより固いと、役所の中でももっぱら評判でございますからッ! がっちがちでございます、はい!」
悪役令嬢の眼力を味わった恐怖で、ハロルドの顔色が首の下から真っ青に染まっていく。
そんな様子を不思議に思いつつ、ジェミーは満足そうに頷くと彼のポケットに屋敷から持ち出した宝石を忍ばせ、背中に向けて手を振り部屋を後にしていった。
目的を達したならとっとと退散しよう。にわかに希望が湧いてきたジェミーは考えをまとめると、ころころ変わるジェミーの百面相に付き合って、はわはわしたりにこにこしたりしている所長に礼を言った。
「ありがと。知りたいことはわかったわ。ええと、あなた、ハロルドさんとおっしゃるのね」
「ハ、ハッ。王国から、こちらのまとめ役を仰せつかっておりますです、はい」
衣服の胸元につけていたバッジを凝視され、ハロルド氏が気を付けの姿勢で制止した。
そんな彼にジェミーは目を合わせると、下から覗き込むようにして薄っすら微笑んだ。
「ねぇ。くれぐれも、私がここを訪れたことは他言無用にお願いするわね? もし、これがどこかに漏れた場合……どうなるか、わかるわよね?」
「も、もちろんでございますッ! わたくしの口は貝よりも、いやダイヤより固いと、役所の中でももっぱら評判でございますからッ! がっちがちでございます、はい!」
悪役令嬢の眼力を味わった恐怖で、ハロルドの顔色が首の下から真っ青に染まっていく。
そんな様子を不思議に思いつつ、ジェミーは満足そうに頷くと彼のポケットに屋敷から持ち出した宝石を忍ばせ、背中に向けて手を振り部屋を後にしていった。