~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド


 日付が変わりここは王都の騎士団隊舎。
 そこを訪ねてすぐ、ブラウンたちは想像以上にむっつりと機嫌の悪いガーフィールと顔を合わすことになった。

「ち、父上、ご無沙汰しております」
「つい数日前に報告に来たばかりだがな。おい、本当にそのルゼとかいう若者と、ペリエライツ公爵家のご家族は王都にて拘束されているのだろうな? 王都から出入りする馬車をいちいち検閲するのも限界があるのだぞ」
「そ、そのはずなのですが」

 当然彼のところにも芳しい情報は届いていないようで、いまだ厳しい父の眼差しに怯えるブラウンは頼りないへらへら笑いを浮かべつつ、なんとか自らの要求を伝えた。

「それで父上。お願いがございます! 自分たちに、一度王宮の内部を改めさせていただきた――」
「ふざけるな!!」
「ひっ」

 ただでさえ険しかったガーフィールのまなじりがぎりっと吊り上がる。
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