道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません
冒険者が自分のスキルで毒を強化したのではないか。

もしスキルであるなら、厄介なスキルだ。

ギルドに登録された冒険者の資料を片っ端から調査し、毒強化のスキルを持つ者を捜し出すことができれば、村長の解毒方法も解るかもしれない。

あくまでもラヴィーネの推測で、表向きにはできない話だ。

それでもラヴィーネは真面目にそう思っていた。

「ギルドに掛け合うしかないわ! 毒強化のスキル冒険者、探しだしてボコボコにしてやる」

村の住人が数人、ラヴィーネがついこぼしてしまった呟きを聞いてしまった。

「穏やかではないな。冷静にくれぐれも冷静に、ギルドに伝えるように」

本当にボコボコにする勢いのラヴィーネを諭した。

ラヴィーネは思い立ったが吉日と言わんはかりに、肩で風切り勇ましく村を闊歩した。

村長の娘から治療日誌も預かった。

村長が毒矢を射貫かれた日からの傷の状態を記録した日誌だ。
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