道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません
射貫かれた時の傷の状態がどうだったか、どのような処置をし、どのような薬で治療しているか、毎日どのように変化しているか。

事こまかに記している。

ラヴィーネがギルドの扉を勢いよく開けると、ギルドにあふれた冒険者たちが、一斉に、ラヴィーネに目を向けた。

ラヴィーネは冒険者たちを掻き分け、真っ直ぐ受付に向かう。

「ギルドマスターを呼んでくださらない? 冒険者登録情報を見せていただきたいの」

単刀直入に、受付譲に言うと更に付け加えた。

「ギルドマスターが要件を聞いてくださるまで帰らないわ」

「おい。お前、何様だ!」

「割り込んでくるんじゃねぇ。道具屋ふぜいがでしゃばるな」

ギルド受付の冒険者たちが、順番を割って入ったラヴィーネに喰ってかかった。

「その冒険者のせいで、村長が毒矢の毒で苦しんでいますの。狩り禁止区域にまで押し入り、妙なスキルで毒強化までして住人を射貫くなど言語道断ですわ」
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