迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「昼休憩に入れるか上の者に確認してくるので、少し待ってもらってもいいですか?」

「わかりました」

 山科と名乗った女性はなにも買わずに店を出ていく。

「桃花ちゃん大丈夫? 不穏な雰囲気だったけど」

 パートスタッフが眉尻を下げ、外にいる女性のうしろ姿を見やった。

「たぶん……。すみません、行ってきます」

 拳を握った手で頑張れ、の意味を表したスタッフに苦笑しながら頭を下げ、厨房へ戻る。

 いいのか悪いのか店長から了承をもらい、急いでユニフォームを脱いで私服に着替えた。外へ出ると山科さんが寒そうに身体を丸めて立っている。

「お待たせしました。あの、どういったご用件でしたでしょうか」

「寒いのでどこかに入りませんか? あ、あそこ、カフェですか?」

 山科さんが指差したのは目と鼻の先にある喫茶店で、私は利用したことがないけれど、食事も提供しているとパートスタッフの人が話していた。

 話をしながら昼食を済ませられるのでそっちの方が助かる。
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