迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 今日はこれから東京の本店へ行く予定をしている。でも、行きたくないというのが本音だ。

 数日前に店長から、折り入って話があるから東京の本店へ来てほしい、というメッセージが届いた。直接話をしたいからこうして連絡をしてきたはずなので詳細は一切聞いていない。

 なにか悪い話だったらどうしよう。

 急にそわそわしてきて、意味もなく立ち上がる。

 三年前、橙吾さんと別れてから店長に千葉へ行くと伝え、正式に新店舗での店長を任された。

 この頃にはすでに妊娠していたのだが、食欲不振に陥って一カ月で二キロ痩せたのも、生理が遅れているのも、橙吾さんとの別れからきている精神的なものだと疑わなかった。

 それがどうして判明したかというと、店からも姉の家からも近いマンションを契約して引っ越しを済ませ、毎日慌ただしくしている最中、ひどい貧血に見舞われて倒れたのがきっかけだ。

 たまたま姉と部屋で過ごしていたので病院へ行こうという話になり、最近の体調についてあれこれと説明していたら脈絡なく言われたのだ。『桃花、妊娠しているんじゃない?』と。

 いつも避妊していたので姉に言われても絶対に違うと否定した。ただ生理は遅れていたので、どちらにせよ産婦人科に行くことにした。

 そして、妊娠が発覚したのだ。
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