迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 もうこの時点で家を出る予定の時間になっている。急いで紅汰のところへ駆け寄ると、おままごとをやめて他のおもちゃを物色しているところだった。

 なんてありがたい。

「こうくん行こう。車でおうた歌おう」

 紅汰はぼんやりしていた顔をすっと引き締めて玄関へと走り出した。猪突猛進というのだろうか。

 片付けが出来なくて部屋は散らかったまだが致し方ない。エアコンがオフになっているのと、ムウの姿を確認して玄関へ急ぐ。

 三月中旬の朝晩はまだ冷えるので暖房器具は必須だが、日中は厚手の上着を羽織っていたら汗ばむ日も出てきた。春はすぐそこまで近づいている。

 双子を保育園に預けるようになってすぐに軽自動車を購入した。歩いて通える距離だが、目に映るものすべてに興味を持つ子どもたちを、まっすぐ歩かせるのは至難の業。倍以上の時間がかかり、しかも紅汰が癇癪を起したら完全に足止めをくらう。

 ペーパードライバーだったので義理の兄に頼んで運転の練習に付き合ってもらい、その間は姉に双子の子守をお願いした。

 両親がいなくても姉家族のおかげでどうにかやれている。
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