迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 保育園で童謡をたくさん歌っているので、車内で名曲集を流すとふたりは声を張り上げる。

 可愛いなぁ。運転中だから無理なんだけど、動画撮りたかった。

 毎日大変だけれど、この愛おしい時間を守るためなら頑張れる。

 今朝起きるまでは電車で行くつもりだったが、紅汰の機嫌に波があるのでやむを得ず東京のポワッタビジューまで車で行くことにした。

 一時間ほどかけて到着し、以前と変わらない街並みを眺めて懐かしい気持ちになる。

 わりとすぐに始まったつわりで出産までばりばり働くという計画は崩れ、新店舗の店長を辞退した。ぎりぎりまで様子を見ようと言ってくれた店長の優しさは、今思い出しても胸を締めつけて涙腺を脆くさせる。

 産後は双子育児という壮絶な日々が待っており、とてもじゃないがパティシエを続けるのは無理だった。

 現在は迷惑をかけた償いの気持ちで新店舗のパートスタッフとして働いているが、双子たちの教育費がかかるようになったら働き方や、場合によっては職場を変えなければいけないと思っている。
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