迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 遠くから呼ばれて顔を上げると、店長が走ってくるところだった。紅汰の水筒を持っているのを見て「あっ!」と大きな声を上げると、橙吾さんが私の腕から手を離した。

「よかった、まだいて」

 私たちの目の前までやってきた店長は、橙吾さんへ無遠慮な視線を送りながら私に水筒を手渡す。

「すみません。助かりました」

 ひとつしか持っていないので、忘れていたら明日保育園に持っていく水筒がなくて絶望していただろう。

「待ち合わせしていたの?」

「え?」

 店長は橙吾さんと私を交互に見る。

 橙吾さんと付き合った日、道ですれ違ったときのことを覚えていた店長に、双子の父親が彼だというのを伝えている。

 橙吾さんを、背が高くて体格もよくてイケメンだと褒めちぎっていたし、凝視している様子からしてもおそらく覚えている。

「いえ、店の前で会って……」

「お兄さん、結婚してる? 彼女は?」

 いきなりなにを聞いているの。
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