迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「ままぁ」と桜子が手を引く。桜子は甘えるとき限定で語尾を伸ばすからわかりやすい。

「さーちゃん、おなか、ぺこぺこよ」

「おにぎり食べようか」

「うん!」

 桜子が近くにあるベンチに駆けていく。

 車を走らせながらあげようと思っていたので、本当に自分の思い通りにはいかないものだと苦笑する。

「橙吾さんごめん。あそこで食べさせてもいい?」

「いいよ。桃花も食べないか?」

 十一時半を回っているのを時計で確認したら急速にお腹が減ってきた。

「食べる。コンビニに行きたい」

 喋りながらベンチに座り、リュックからおにぎりを取り出して桜子に持たせる。

「買ってくるから座って待っていて。なにが食べたい?」

「明太子と昆布のおにぎりと、緑茶をお願いしていいかな。こうくん、ここで待っていようか」

 紅汰は橙吾さんの腕のなかで顔をふいっと背けた。笑っちゃうくらい反抗されている。
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