迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 核心を突かれたらどうしようっていうのはもちろん考えた。だから否定しようって決めていたし、ほんの少しの可能性も残さないように、いろいろ言い訳を用意していた。

 でもやっぱり嘘はつきたくなくて言い淀んでしまう。

 私ってこんなに頑固な性格だったのか。

「どうして教えてくれなかったのか、わけを聞かせてほしい。留学の件がなくなったのであれば、少なくとも別れの理由は減ったはずだ」

 とても冷静で、落ち着き払った声音だ。

 やっぱり橙吾さんが好きだな。だって、自分の子どもの存在を知りたかったという部分にだけ焦点をあてないで、別れの理由に触れている。

 別れなければならなかった問題点を解決すれば、まだ一緒にいられたはずだと言われているように受け取れる。

 たとえそういう意味ではなかったとしても、私が勘違いするくらい、相手を思い遣れる言葉選びができる人なのだ。

 斜めうしろを見ると桜子の目が閉じかけている。位置的に紅汰の姿は見られないが、静かなので大丈夫だろう。

 桜子は言語の発達が速いので、意外と大人の言っていることを理解していたりするから心配だったけれど、どちらにせよ難しい内容だから双子に意味は伝わらないよね。
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