迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 三十五年間生きてきたなかで一度もリンクコーデに興味を持ったことがないが、紅汰とやってみたい。

 紅汰は桃花の生き写しだ。そして桜子は俺の遺伝子を色濃く受け継いでいる。

 乳児の頃から似ていたのか、写真を見せてもらいたい。

 ああしたい、こうしたいという欲が強くて、心を平静に保つのが大変だ。

「しゅごーい」

「おーきー」

 俺の車に座るなり、双子は足をパタパタさせてはしゃいでいる。

「すごいね、大きいね」

 桃花も二週間前に会ったときとは違いリラックスした様子だ。春の陽気がそうさせているのかもしれない。

 歌いたいというので曲を流すと、声枯れが心配になるほどの大きさで熱唱し始めた。桃花いわく双子はどこでも歌うので、TPOによっては内心はらはらして寿命が縮まるとか。

 笑い話しかしないが、何十倍、いや何百倍の苦労話があるはずだ。桃花は頑張り屋だから、自分でも気づいていないうちにきっと疲労を溜め込んでいる。

 ずっと想っていたのにもかかわらず、そばにいれなかった悔しさで胸が重たくなった。

 午前九時半に到着し、まずは桜並木道をのんびり歩いた。
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