迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「そんなふうに言ってくれる人、初めて。ありがとう橙吾さん。相談してよかった」

 少しでも気持ちが楽になったならよかった。こんな姿を見せられたら、抱き締められずにはいられないのだけれど。

 空を仰いで涙を引っ込めた桃花は、桜子と紅汰それぞれに大きく手を振った。

 母親として強くなった姿が眩しい。

 昔も仕事に一生懸命で、突き詰めて考えるところがあった。素直で純粋で、好きになったところはなにも変わっていない。

 それから子どもたちがひとしきり遊んだあと、芝生広場に戻って昼食をとることにした。

 大きなバッグからは、ウエットティッシュやアルコールスプレー、スプーンとフォーク、タオルなどありとあらゆるものが出てくる。

 出掛ける度にこれらが入ったリュックを背負い、時には子どもを抱っこするのだ。桃花の身体は大丈夫なのだろうか。腰など痛めていないか心配だ。

「じゃじゃーん」

 効果音つきでランチトートバッグからタッパーを幾つか取り出した桃花は、次々に蓋を開けていく。

「おおー」

「わぁー」

 双子からは素直な歓声がこぼれた。
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