迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「ままぁ、いたいいたい、ばあー」

 桜子が桃花の頭を撫でると、紅汰は手を空へ向ける。

「ばあー」

 まだ上手に話せないなりに一生懸命母親を思い遣る姿に、胸に温かいものが込み上げる。

「ありがとう。びっくりしたよね。ママ元気だよ」

 そして桃花の気丈に振る舞う姿にも胸がいっぱいになった。ただ口もとを手で隠しているのが気になる。

「桃花、ふたりが遊べそうなものは他にあるか?」

「えっと、スマホでダンスの動画とか流したら、ふたりで踊るかも」

「しゅる!」

「こたも!」

 する、と桜子が手をあげて、紅汰も、と続いた。

 桃花がスマートフォンをレジャーシートの上で立てて動画を再生すると、ふたりは可愛らしい笑い声を上げながら手足を動かし始めた。

 双子の意識が逸れたのを確認してから桃花の手を無理やりどける。
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