迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「ありがとう。こうやって止血をすれば、すぐに止まるんだね」

「ティッシュは皮膚に張り付くから、ガーゼとかがいいよ」

 なるほど、と納得した桃花は双子の様子をしばらく見守ってから居住まいを正した。

「本当に、橙吾さんに迷惑はかからない?」

「ああ。両親にも三年会っていない」

 桃花の両親が事故で亡くなっていると聞いた数日後に、ちょうど実家から連絡が入った。いつもと同じく見合い話だったが、会えるときに会っておいた方がいいのかもしれないと思わされて、電話で済まさずに直接会いに行ったのだ。

 どうせ言い合いになると踏んでいたけれど、予想通りだった。

 見合いが嫌なら、七歳下の幼馴染である奈緒と結婚すればいいとも言われて、『話にならない』と捨て台詞を吐いて家を出たきり顔を合わせていない。

 奈緒は大企業の令嬢だから両親にとっては最高の嫁になるのかもしれないが、俺にとっては最悪の相手だ。
< 178 / 244 >

この作品をシェア

pagetop