迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 右手と左手でふたりと手を繋いで駐車場からエントランスへ歩いていると、扉の前にいた女性がすっと目の前に立った。

「こんにちは。お久し振りです」

 突然だったのもあり誰だかわからなかった。どこかで見たことあるけれど、と記憶を辿ってはっとしたのと同時に、女性が首を傾げる。

「山科です。忘れられているなんて、ちょっと悲しいですね」

 微笑んではいるが目の奥は笑っておらず、警戒心が働いて子どもたちと繋いでいる手に力がこもる。

「話があるので、少しお時間いただけますか」

 三年前を想起させる態度と物言いに、唾がうまく飲み込めず拍動が速くなった。

 この状況でどうして時間が取れると思うのか。
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