迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「愛しているから結婚する。あたり前なことを言わせないでくれ。くだらない」

 橙吾さんの口が悪い。山科さんは心底嫌そうな顔をして、盛大な溜め息をついた。

「でも一度別れているじゃない。しかも子どもが生まれているのも知らずにいて、どの口が言っているの? 情けない」

 山科さんって、橙吾さんが好きなんだよね?

 とてもそうは思えない発言に呆気に取られる。

「そうだな。だからこれからは間違えないように、桃花のそばから離れるつもりはない」

 山科さんは攻撃的な目つきで橙吾さんを睨んだ。

「こんな、子どもが、なによ」

 忌々しい言葉を口にしたかのように顔を歪めると、山科さんは橙吾さんに詰め寄って手を伸ばす。

 てっきり橙吾さんに触れるとばかり思っていたのに、山科さんの目的は紅汰だったようで、小さな頭に手が置かれそうになった。瞬時に橙吾さんが避けて難を逃れる。

 ……はらはらする。この子たちになにかあったらと想像するだけで身体が震える。

「俺は消防士を辞めるつもりはない。桃花の夫、双子の父親としての自分も、手放すつもりはない」

 大きい声ではないにしろ肌が粟立つような凄みがあった。
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