迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「ありがとう。お邪魔します」

「とごー!」

 私たちのやり取りを聞きつけた紅汰が全力で駆けてきた。勢いを緩めることなく橙吾さんの胸に飛び込む。

 保育園のお迎えのときによくやられるのだが、わりと本気で痛かったりする。橙吾さんは顔色ひとつ変えずに受け止めて笑った。

「体力が有り余っているな。俺と遊ぶか」

 廊下の先では桜子がこちらの様子をうかがっている。

「桜子も一緒に遊ぼう。なにがしたい?」

「さーちゃ、ぽっぽーしたい」

 ひと言目におままごとが出てくると思っていたので意外だった。

「なんて?」

「汽車ポッポかな。私もちょっと、詳しくはわからない」

 説明を聞いた橙吾さんは紅汰を持ち上げると、桜子に歩み寄って手を差し出す。

「いいよ、やろう」

 桜子は「うん!」と花が咲いたように愛らしく笑って、大きな手のひらをぎゅっと掴んだ。

 胸が締めつけられて苦しい。

 あー……、動画に収めたかった。
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