迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 子どもたちが橙吾さんを受け入れられなかったらどうしようとか、起きていないことを心配して、がんじがらめになって、不幸せにしているのは自分自身なのだというのは頭の隅でわかっていた。

 いいよね、素直に自分の気持ちに従っても。

 頭の芯にまで響いている心臓の音に負けないように、お腹に力を入れて声を出す。

「よろしくお願いします」

 緊張が極限に達して橙吾さんの顔が見られない。身を小さくして息をひそめて反応を待ったが、静けさが漂ったままだ。

 どうしてなにも言わないのだろう。

 ゆっくりと橙吾さんへ顔を向けると視線がぶつかる。

「悪い、感動を噛み締めていた」

 気恥ずかしそうに微笑んだ姿に胸がきゅんとして、橙吾さんに抱きつきたい衝動が襲ってきた。

 この感覚久し振りだな。

 ふたりの気持ちが通じ合って、同じ方向を見ているという安心感が大きな力を漲らせてくれる。

 大丈夫。私なら橙吾さんと子どもたちを幸せにできる。
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