迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 訝しい表情になった橙吾さんにすべてを話すと、「ちょうどいいじゃないか」と、軽い調子の声が返ってきた。

「引っ越し業者は何時からだ? あとで電話しよう。最短の日程でうちに引っ越しておいで」

「昨日の今日なのに、本当にいいの?」

「遅かれ早かれ一緒に暮らすのに、なにがいけないんだ?」

 質問に質問で返されてぐっと詰まる。

「桃花、ここは橙吾さんに甘えよう」

「……よろしくお願いします」

 姉の後押しもあって深々と頭を下げると、橙吾さんに手で両頬を挟まれた。

「他人行儀がすぎる」

「あ、はい」

 謝ると今度は苦笑される。

「できればもっといい形で渡したかったけど、早苗さんがいた方がいい気がするから」

 橙吾さんはよくわからないことを口走って立ち上がると、昨晩車に戻ったときに持ってきたバッグを手にする。

 なかから取り出したのは白い箱で、両手で持ったまま私の前に跪いた。

「え、あの、えっ」

 動揺して、わけのわからない声しか出せない。
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