迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「一生かけて幸せにする。受け取ってくれ」

 自分の意思とは関係なく涙が溢れ、ぽろぽろとカーペットにこぼれ落ちた。

 箱から抜き取った指輪を私の薬指にはめた橙吾さんは、わかりやすいくらい安堵した表情をしている。

「ありがとう。綺麗」

 鼻声で、情けない声になった。

「なぁにー?」

 桜子が遊んでいたぬいぐるみを放り投げ、満面の笑みで駆け寄ってきた。

「きゃー! ちれーい!」

 きらきらしたものが好きな桜子がお気に召したようだ。

「ままのなの?」

「そうだよ」

 すかさず橙吾さんが答える。紅汰もいつもと違う空気を感じ取ったらしく、不思議そうな顔で指輪を覗き込みにきた。

「さーちゃもほしー」

「これはあげられないから、桜子は違うのを買おう」

「いま?」

 桜子は橙吾さんの腕に両手をちょこんとのせて上目遣いをする。
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