迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「この子たちの父親が消防士なんですけど、彼が頭を守るのが最重要と言っていました。揺れがきたら、被りましょう」

 老夫婦はなんとか聞き取れる小さな声で呟く。

「そうかい、消防士さんかね……」

「ありがとうね」

 そう、私の大切な人はハイパーレスキューなのだ。

「大丈夫。パパが助けにきてくれるからね」

 本当は怖い。橙吾さんに会いたい。でも今この子たちを守れるのは私しかいないのだから、しっかりしないと。

 双子を力強く抱き締めて心を奮い立たせた。

 建物が揺れているのか、自分の身体が震えているのかもう判断がつかない。それに右の足首が痛く、ずきずきと大きく脈を打っている。

 先ほど人混みから抜け出すときに足を捻ったのだ。軽い痛みが走っただけだったので問題ないと思っていたけれど、どうやらそうでもないらしい。
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