迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「桃花は?」

「足をくじいた」

 顔をしかめた橙吾さんはすぐさま足首に触れた。

「腫れて熱を持っている」

「まま、かあいそう」

 桜子が心配そうに私の足を見つめている。

 橙吾さんは双子を抱き締めて背中を優しく擦った。

「すぐおうちに帰れるからな。佐橋! こっちに来てくれ!」

 他の隊員と共に避難誘導にあたっていた男性が、呼ばれてこちらに駆けてきた。

 この人が佐橋さん……。

 思っていたより若くて、がっしりとした体格をしている。

「桃花を頼む。足首を捻挫しているんだ。俺はこれから指揮を――」

「いいんですか?」

 佐橋さんがきょとんとしている。その顔を見た橙吾さんは一拍置いたあと、私の膝裏に手を差し込んでいきなり身体を持ち上げた。

「ひゃっ」

 橙吾さんの首に腕を回して、落ちないようにしがみつく。

「ダメだな。俺以外の男は、桃花に指一本触れてはいけない」

「あ、そこまで聞いてないです」

 至って冷静に返す佐橋さんとのやり取りが面白くて、緊迫した状況なのに吹き出しそうになった。
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