迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「双子も歩けそうにない。頼んでいいか」

「もちろんです。えっと、こちらのご夫妻は?」

 佐橋さんが手のひらを向けた先は、先ほど会話をした老夫婦だ。一緒にいたから知り合いだと勘違いしたのかもしれない。

 そう思った矢先、橙吾さんが「は? どういうことだ?」と、初めて聞くような素っ頓狂な声を上げた。

「じいさんと、ばあさんだよな」

 今度は私が「ふぇ?」と、変な声を出してしまった。

「やっぱり橙吾か。他人の空似かと思っていた」

「なにを呆けたことを言っているんだ」

 ちょっと、そんな口の利き方をしていいの?

 心配する私をよそに、橙吾さんは淡々と話を続ける。
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