迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「ふたりも動けないのか?」

「いや、歩ける」

「それなら向こうの、避難誘導に従ってくれ」

 親しい間だからこその話し方なのだろうけれど、聞いていてひやひやする。

 橙吾さんのおじいさんとおばあさんだったなんて、こんな偶然、普通はあり得ない。橙吾さんとの二度の再会といい、本当にご縁があるというか。

 それにしても……形式的なものだけだが彼らとは親族だ。失礼がなかっただろうかと急速に不安が襲う。

「橙吾、近いうちに家に来なさい。そちらのお嬢さんと、子どもたちも連れて」

 おじいさんは温度を感じさせない声音で告げると重い腰を上げた。おばあさんは杖を使ってふらつきながら立ち上がったあと、優しい笑顔を私に向ける。

「励ましてくれてありがとう」

「いえ、そんな」

 心の距離感が掴めなくて、どういう態度を取ればいいのかわからない。急にかしこまるのも打算的だし、かといって気さくに会話をしていい相手ではない。
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