迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「桃花さん、火災のとき凄く優しかったの。桃花さんみたいな素敵な人が橙吾のお嫁さんなら、安心してあの世へ行けるわ」

「それはよかった。冥途の土産になったな」

「ちょっと、橙吾さん」

 さすがに聞き流せなくて突っ込むと、おじいさんが愉快気に「はっはっは」と笑う。きっとこれが彼らの日常なのだ。

 和やかな雰囲気になり、お義母さんがケーキを皿にのせてテーブルに並べる。手伝おうとしたが、「今日は桃花ちゃんが主役だから」ときっぱり断られた。

 各々が好きな珈琲や紅茶も運ばれ、双子にはりんごジュースが用意される。

 子どもたちにジュースを飲ませるのは体調が悪いときと、こういった特別な日だけ。

「こうくん、さーちゃん、ジュースあるよ。あと、クッキーも食べる?」

「ちゃべる」

「こーくん、くっきー、すき」

 ずっと身をひそめていた紅汰と桜子がようやくソファに座った。
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