迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「本当にいいの?」

「結婚してからも、ふたりだけの時間って、ほとんどなかったでしょう?」

 その通りなので頷く。

 双子が寝静まったあとに少しだけ夫婦の時間があったくらいだ。

「さーちゃん、こうくん、今からさなえもんの家に行くよ」

 何故か姉は双子に『さなえもん』と呼ばせている。絶対に伯母さんと呼ばれたくないかららしい。

「やったー!」

「いくー!」

 大喜びのふたりは、私たちに目もくれず玄関に向かって走り出す。

「おお、早い。じゃあ行くね。こっちのことは気にせずゆっくりして」

「お姉ちゃんありがとう」

「早苗さん、すみません。ありがとうございます」

 姉はどや顔をして親指をぐっと立てると、「待って~」と双子のあとを追いかけた。

 三人が出ていき、橙吾さんと私だけになる。このマンションでふたりきりになるのは別れ話をしたとき以来だ。
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