迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「ケーキを食べたら、お腹が空いてきました。鰻食べに行きましょう」

「なんで鰻なんだ」

「本当はラーメンがよかったけど、デート前ですからね。活力がつきますよ」

 今度はひひひっと、佐橋は子どもがいたずらをするときのような声を出す。

 もう大の大人だというのにいつまでも無邪気な奴だ。

 苦笑しつつも、適度に気配りができて、桃花さんに興味を持ちつつも必要以上に深く突っ込んでこないあたり、いい後輩を持ったなと思う。

「さあ、行きますよ」

「ラーメン屋じゃないんだから、もう少しまともな恰好に着替えろ」

 勢いよく立ち上がった佐橋を見上げて指摘する。

「あっ」

 自分が上下スエットなことを忘れていたらしい。慌ただしく準備を始めた佐橋を横目に、桃花さんから連絡が入っていないかとスマートフォンを確認したが、なんの知らせもきていなかった。
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