迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 五分ほどの道のりを歩いて目当てのラーメン屋に到着し、店内に入って食券機の前で並ぶ。

「決まった?」

「チャーシュー中華そばに、半熟卵トッピングします」

「大盛りじゃなくていい?」

 冗談めかして言うと、桃花さんはクスクスと肩を揺らして笑った。

 機械にお札を入れて、伝えてもらった内容で発券する。次いで自分のものを選んでボタンを押した。お釣りを取って案内されたカウンター席に座ると、桃花さんが肩を寄せて囁く。

「すみません。あとで払います」

「代わりに今度、なにかごちそうしてくれればいいよ」

 桃花さんは口を半開きにしたまま固まった。

 一方的な行動で嫌な気分にさせたかもしれない。

 自分の言動に後悔しかけていると、桃花さんは口角をぐっと上げて笑顔を作った。

「そうしますね。ありがとうございます」

 おそらく空気を読んでくれた。六つも下なのに年の差を感じさせないのは、彼女のこういった気配りが上手なところが左右しているのかもしれない。
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