迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 苦しいくらいの圧迫感すらも愛おしくて、胸が焼け焦げてしまうかのように熱くなる。

 橙吾さんに身体をくるりと回されて、少しふらつきながら見上げると真剣な瞳とぶつかった。橙吾さんの顔が近づいて、目を閉じると優しい口づけが落ちてきた。

 ドクンドクンと激しく鼓動する心臓が邪魔をしてうまく息継ぎができない。

 橙吾さんは唇を触れ合わせたまま大切なものを扱うような手つきで後頭部を撫で、角度を変えて再び唇を重ねる。

 だんだんと思考が働かなくなって抱きついている浴衣をぎゅっと握ると、橙吾さんが悪戯をするかのように唇を甘噛みしながら離れた。

 こんな、キスで遊ぶようなことをするんだ。普段がとても真面目だから、ギャップにやられちゃう。

 軽く胸を手で押さえて深呼吸をすると、大きな両手のひらで頬を包み込まれた。

 ひとつひとつの所作から愛情が伝わり、全身が多幸感に酔いしれる。

「なに?」

 小声で反応すると、橙吾さんはふっと空気を震わすような笑い声をこぼす。

「緊張してる?」

「しない方が難しいよ」

 照れ笑いをするしかない。逃げたくてもがっちりと顔を固定されているし。
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