迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「食べている途中なのに悪かった。冷める前に食べて」

 橙吾さんは私のフォークにパスタ麺を巻きつけて、口もとに持ってきた。

「はい、口開けて」

〝あーん〟をされたのは初めてで、すでにもっとすごい行為をしているのに、無性に恥ずかしくなった。

 たぶん顔が真っ赤になっている。その証拠に橙吾さんは楽しそうに柔らかい笑みを浮かべている。

 美味しい。私が疲れているからと作ってくれた料理には、思いやりと愛情がいっぱい詰まっている。

 橙吾さんがもう一度食べさせようとしたので大きく口を開けたのだが、目と鼻の先にあったパスタがふっと消え、なかに入ってきたのは熱い舌だった。

 唇を塞がれているので声が出ず橙吾さんの腕にしがみつく。
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