幽霊姫は止まれない!
私の扱いに若干戸惑いつつも安全なところに案内しようとしてくれたのか、エトホーフト国の騎士団長が声をかけてくれたが、私は大きく首を振った。安全なところまで離れてしまうと、ミック公爵令息の観察が出来ないからだ。
「エヴァ様、お願いですから離れていてください!」
「そうです、ご令嬢に危険……って、様付け?」
「あっ、いえこれは!」
「緊張しているんでしょう。ほらオスキャル、いつものように呼び捨てでお呼びなさいな」
「お呼びなさい……? 平民って聞いているが……」
「ッ、お、面白がって……、あーもー、エ、エヴァ、危ないのでいざという時に駆け付けられる最大の距離で待っていてください」
ここぞとばかりに呼び捨てを強要すると、若干しどろもどろになりながらもオスキャルが私を呼び捨てにする。気恥しそうに視線をきょどきょどと動かしているところが可愛らしく、私はそんな彼に満足しながら再び大きく首を振った。
「いいえ。私はこれでもソードマスターの恋人なのです。今回の訓練にも参加いたします」
「聞いてない!」
「そりゃ言ってないもの。でも見て、私は準備万端よ」
「エヴァ様、お願いですから離れていてください!」
「そうです、ご令嬢に危険……って、様付け?」
「あっ、いえこれは!」
「緊張しているんでしょう。ほらオスキャル、いつものように呼び捨てでお呼びなさいな」
「お呼びなさい……? 平民って聞いているが……」
「ッ、お、面白がって……、あーもー、エ、エヴァ、危ないのでいざという時に駆け付けられる最大の距離で待っていてください」
ここぞとばかりに呼び捨てを強要すると、若干しどろもどろになりながらもオスキャルが私を呼び捨てにする。気恥しそうに視線をきょどきょどと動かしているところが可愛らしく、私はそんな彼に満足しながら再び大きく首を振った。
「いいえ。私はこれでもソードマスターの恋人なのです。今回の訓練にも参加いたします」
「聞いてない!」
「そりゃ言ってないもの。でも見て、私は準備万端よ」