幽霊姫は止まれない!
私が混ざった訓練は、騎士や、騎士を目指している人たちの訓練ではなく高位貴族の令息を呼んで訓練という体験をする程度のもの。ソードマスターと公的に知り合うためにやってきた令息たちだ、普段は運動不足だろうし、せいぜい私と同程度、いやむしろ普段オスキャルと追いかけっこをしている私の方が体力があると思っていた。のに、この体たらくである。
はぁ、とため息を吐きながら周りを見渡す。やはり高位貴族である彼らは最低限体を鍛えているのか、なんとほぼ全員が自身の足で立っており、私のようにへたり込んでいる人なんておらずガクリと項垂れる。だがこのままいつまでも地面にへたり込んでいては彼らの訓練の邪魔だろう。唯一少し離れたところにひとりだけヘロヘロになってしゃがんでいる令息がいたので、私は彼の方へノロノロとした足取りで向かった。
(せめて少しくらいミック公爵令息の情報聞き出さないと)
「大丈夫ですか?」
「え? 貴女はオスキャル卿の」
「はいっ、恋人ですね!」
にこにこと返事をしながら彼にハンカチを渡すと、少し戸惑いながら黒髪の男性が受け取った。
(長い黒髪は毛先まで手入れされているのね)
はぁ、とため息を吐きながら周りを見渡す。やはり高位貴族である彼らは最低限体を鍛えているのか、なんとほぼ全員が自身の足で立っており、私のようにへたり込んでいる人なんておらずガクリと項垂れる。だがこのままいつまでも地面にへたり込んでいては彼らの訓練の邪魔だろう。唯一少し離れたところにひとりだけヘロヘロになってしゃがんでいる令息がいたので、私は彼の方へノロノロとした足取りで向かった。
(せめて少しくらいミック公爵令息の情報聞き出さないと)
「大丈夫ですか?」
「え? 貴女はオスキャル卿の」
「はいっ、恋人ですね!」
にこにこと返事をしながら彼にハンカチを渡すと、少し戸惑いながら黒髪の男性が受け取った。
(長い黒髪は毛先まで手入れされているのね)