幽霊姫は止まれない!
「聞き込みすらせず通りに来ただけですけど」
「今から探すのよ!」
何故か普段より一段と不貞腐れているオスキャルに首を捻りつつ、私たちはまずミック公爵令息のいそうな〝女性が喜びそうな店〟を探し始めたのだった。
最初に覗いたのは可愛い雑貨の置いてある店。とは言ってもあつらっている宝石類は上質なものらしく、値段は全然可愛くはないのだが。
並ぶ商品の中で、小さな藍色の宝石が埋め込まれている髪飾りが目に留まる。
(この色、オスキャルの瞳と同じ……)
「それが気になるんですか?」
じっと見ていることに気付いたのか、私と違いちゃんと店内の商品ではなく客を確認していたオスキャルが私の視線の先を辿りながらそう聞いてきた。
「オスキャルの瞳と同じ色だと思っただけよ」
「それは、先日のように俺を窮地に追い込む小道具として、ですか?」
この間の全身オスキャルカラーにした時のことを言っているのだろう。そのことに思い当たった私は思わず苦笑した。
「そんなわけないでしょ。あれはゴテゴテして普段使うものじゃないから成立したのよ」
「今から探すのよ!」
何故か普段より一段と不貞腐れているオスキャルに首を捻りつつ、私たちはまずミック公爵令息のいそうな〝女性が喜びそうな店〟を探し始めたのだった。
最初に覗いたのは可愛い雑貨の置いてある店。とは言ってもあつらっている宝石類は上質なものらしく、値段は全然可愛くはないのだが。
並ぶ商品の中で、小さな藍色の宝石が埋め込まれている髪飾りが目に留まる。
(この色、オスキャルの瞳と同じ……)
「それが気になるんですか?」
じっと見ていることに気付いたのか、私と違いちゃんと店内の商品ではなく客を確認していたオスキャルが私の視線の先を辿りながらそう聞いてきた。
「オスキャルの瞳と同じ色だと思っただけよ」
「それは、先日のように俺を窮地に追い込む小道具として、ですか?」
この間の全身オスキャルカラーにした時のことを言っているのだろう。そのことに思い当たった私は思わず苦笑した。
「そんなわけないでしょ。あれはゴテゴテして普段使うものじゃないから成立したのよ」