幽霊姫は止まれない!
「ハイハイ。えー、親愛なるイェッタ……いえ、別に親愛でもなんでもないわね。拗らせているイェッタ、は流石にダメか。んー、挑戦者イェッタ、決闘方法を言い渡す……これでいいでしょ」
「手紙の始まりですか? とんでもないですね、彼女貴族としてのプライド高そうだし平民設定のエヴァリンとして手紙送ると怒り狂いません?」
「既に怒り狂ってるからいいのよ」
「それ絶対良くないやつ」

 私の説明を聞いたオスキャルが呆れたような声を漏らすが、それも華麗に流し、無事に決闘の通達書を書き上げたのだった。

 ◇◇◇

「信ッじられないのですけれど!」
 オスキャルの予想通りプリプリと怒るのはもちろんイェッタである。

「あんなに失礼な手紙をいただいたのは初めてですわ!」
「決闘の通達書だもの、仕方ないわよ」
「通達書とは何かをご存知!? これだから平民は! それにどうして開催場所を私が用意することになりますのッ」
「平民差別は良くないわよ、謝罪なさい。それと、私は平民だから場所の用意とかできないの、だからいいじゃない」
「謝罪を要求する口で間髪入れずよくそんな図々しいことが言えますことね!?」
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