幽霊姫は止まれない!
第三十話 一方その頃、というシステム
──そんな白熱したクイズ合戦をしていた頃。
「エヴァリン可愛いよね」
「は?」
そうやって俺へと話かけてきたのはミック公爵令息だった。
「あ、安心して。ソードマスターである君の恋人に手を出すつもりはないし、そもそもボクは今君の主人でもある妖精の姫君に求婚中だから」
「それ、断られますよ」
「勝手にそんなこと言って国同士の問題にならない?」
「ただの護衛騎士の戯言ですから」
「いやいや、ソードマスターであり伯爵家、しかも王女の専属護衛である君はなかなかに発言権があると思うけど──ふぅん、つまり、そういうことなんだ」
含みを持たせた言い方にドキッとする。
だが、こんなに全てバレバレのエヴァ様だ、バカそうに見えていたが勘のいい人なら一目でエヴァの正体がただの平民ではなく高貴なる身分の人だと察するだろう、と思う。
(くそ、そりゃ気付かれるよな)
なぜならエヴァ様はそもそも彼女はその王族特有の淡いピンクの髪も、高貴さをにじませるアメジストのような紫の瞳も隠していないのである。
「エヴァリン可愛いよね」
「は?」
そうやって俺へと話かけてきたのはミック公爵令息だった。
「あ、安心して。ソードマスターである君の恋人に手を出すつもりはないし、そもそもボクは今君の主人でもある妖精の姫君に求婚中だから」
「それ、断られますよ」
「勝手にそんなこと言って国同士の問題にならない?」
「ただの護衛騎士の戯言ですから」
「いやいや、ソードマスターであり伯爵家、しかも王女の専属護衛である君はなかなかに発言権があると思うけど──ふぅん、つまり、そういうことなんだ」
含みを持たせた言い方にドキッとする。
だが、こんなに全てバレバレのエヴァ様だ、バカそうに見えていたが勘のいい人なら一目でエヴァの正体がただの平民ではなく高貴なる身分の人だと察するだろう、と思う。
(くそ、そりゃ気付かれるよな)
なぜならエヴァ様はそもそも彼女はその王族特有の淡いピンクの髪も、高貴さをにじませるアメジストのような紫の瞳も隠していないのである。