幽霊姫は止まれない!
 実際の社交は全てサボってきたとはいえ、これでも王族の端くれだ。コルセットにだって、そしてエスコートされることやダンスだって訓練してきている。
 不安要素と言えば外で相変わらず呻いているのか嘆いているのかわからないオスキャルだけど──

「入っていいわよ」
 そう声をかけると、ゆっくりと扉が開いた。もちろん扉を開いたのは、私とお揃いの衣装に身を包んだオスキャルである。
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