幽霊姫は止まれない!
オスキャルの緊張が解れたのを感じ、今回の主催者である公爵夫妻を探す。
幸いなことに人だかりができていたのですぐに見つけられ、彼らの方へとまっすぐに向かうと自然と目の前が開いた。挨拶を終えた人々が道を開けてくれたのだ。
そんな彼らへにこりと微笑みを返すと、こぞって息を呑む気配を感じた。
「本日はお招きくださり誠にありがとうございます。ハッケルト公爵、公爵夫人」
にこやかに声をかけると、ぱっと振り向いた彼らがすぐに頭を下げた。
「まさか殿下に来ていただけるとは」
「あら。私が誰だかわかるのかしら。私は兄や姉たちとは違いまだ公の場に姿を出したことはないのだけれど」
もちろんこの物言いでは私の正体を決定づけるようだが、別にそれで構わなかった。幽霊姫が妖精姫へと変換された理由を知って目標を達成したからではない。
私の中の最も大切なものを守るのに、有効だったからである。
(まぁ元々たいして隠してなかったしね)
「もちろんでございます。その髪色にその瞳、何よりその気品がまさしく隣国王家のものですから」
「そういっていただけて光栄だわ」
「どうぞお楽しみいただけますように」
「えぇ」
幸いなことに人だかりができていたのですぐに見つけられ、彼らの方へとまっすぐに向かうと自然と目の前が開いた。挨拶を終えた人々が道を開けてくれたのだ。
そんな彼らへにこりと微笑みを返すと、こぞって息を呑む気配を感じた。
「本日はお招きくださり誠にありがとうございます。ハッケルト公爵、公爵夫人」
にこやかに声をかけると、ぱっと振り向いた彼らがすぐに頭を下げた。
「まさか殿下に来ていただけるとは」
「あら。私が誰だかわかるのかしら。私は兄や姉たちとは違いまだ公の場に姿を出したことはないのだけれど」
もちろんこの物言いでは私の正体を決定づけるようだが、別にそれで構わなかった。幽霊姫が妖精姫へと変換された理由を知って目標を達成したからではない。
私の中の最も大切なものを守るのに、有効だったからである。
(まぁ元々たいして隠してなかったしね)
「もちろんでございます。その髪色にその瞳、何よりその気品がまさしく隣国王家のものですから」
「そういっていただけて光栄だわ」
「どうぞお楽しみいただけますように」
「えぇ」