幽霊姫は止まれない!
その場で楽しそうに二回、三回と回転したオスキャル。
突然視界が高くなって開け、私からも笑みが溢れた。そしてゆっくりと下ろされた私の足が床へ──つかなかった。
「……ちょっと?」
「これで、踏みません」
ニカッと明るく笑ったオスキャルは絶妙に私を浮かせたままその場でステップを始める。
(く、苦しくはないけど、これは)
プラーンと宙に浮いた私は、このままではあまりにも不自然だとひとまず彼の腕に自身の腕を添えるが、これはダンスではない。絶対ダンスではない。
そんな不満を素早く察知したオスキャルは、私が文句を言おうとするたびに高く掲げる。
これでは完全に赤子をあやすパパではないか。
(でもこれが、私たちらしいのかもしれないわね)
なんだか呆れを通り越した私は、結局また笑ってしまうのだった。
◇◇◇
「……うぷ」
「も、申し訳ございません、エヴァ様……」
あの後突然ぐるぐると高速で回転されたせいで完全に酔ってしまった私は、結局オスキャルとのダンスを一曲で切り上げホールの端でこっそりと柱にもたれかかる。
突然視界が高くなって開け、私からも笑みが溢れた。そしてゆっくりと下ろされた私の足が床へ──つかなかった。
「……ちょっと?」
「これで、踏みません」
ニカッと明るく笑ったオスキャルは絶妙に私を浮かせたままその場でステップを始める。
(く、苦しくはないけど、これは)
プラーンと宙に浮いた私は、このままではあまりにも不自然だとひとまず彼の腕に自身の腕を添えるが、これはダンスではない。絶対ダンスではない。
そんな不満を素早く察知したオスキャルは、私が文句を言おうとするたびに高く掲げる。
これでは完全に赤子をあやすパパではないか。
(でもこれが、私たちらしいのかもしれないわね)
なんだか呆れを通り越した私は、結局また笑ってしまうのだった。
◇◇◇
「……うぷ」
「も、申し訳ございません、エヴァ様……」
あの後突然ぐるぐると高速で回転されたせいで完全に酔ってしまった私は、結局オスキャルとのダンスを一曲で切り上げホールの端でこっそりと柱にもたれかかる。