幽霊姫は止まれない!
そして知ったのは、彼がオスキャルという名前で、スワルドン伯爵家の三男、魔力が強く将来に期待されている騎士だということだった。
伯爵家の三男なら、彼は将来どこかの令嬢の家に婿入りする可能性が高い。
もちろん騎士として有名になれば話は変わってくるかもしれないが、貴族の三男というのはどこも肩身が狭いものだった。
(私は一人娘で、だから婿を探していて。同じ伯爵家なら、悪くはないわよね)
別に何かがあるわけでは無かったが、そんなことが頭を過るようになった、そんな頃。
私が差し入れを初めて二年がたった時だった。
リンディ国に新たなソードマスターが誕生した、というニュースが流れたのだ。
そしてそれが、他でもないオスキャル様だった。
彼の努力が実ったことも、彼が注目されることも嬉しかったが、今まで他の騎士にキャーキャー言っていた令嬢たちが急にオスキャル様目当てになったことは不満だった。
それでもこの二年、一方的にだが頻繁に差し入れをしていた私が誰よりも優位なのだと思っていた。
だって私は、彼がソードマスターになる前からずっと応援していたのだから。
──それなのに。
伯爵家の三男なら、彼は将来どこかの令嬢の家に婿入りする可能性が高い。
もちろん騎士として有名になれば話は変わってくるかもしれないが、貴族の三男というのはどこも肩身が狭いものだった。
(私は一人娘で、だから婿を探していて。同じ伯爵家なら、悪くはないわよね)
別に何かがあるわけでは無かったが、そんなことが頭を過るようになった、そんな頃。
私が差し入れを初めて二年がたった時だった。
リンディ国に新たなソードマスターが誕生した、というニュースが流れたのだ。
そしてそれが、他でもないオスキャル様だった。
彼の努力が実ったことも、彼が注目されることも嬉しかったが、今まで他の騎士にキャーキャー言っていた令嬢たちが急にオスキャル様目当てになったことは不満だった。
それでもこの二年、一方的にだが頻繁に差し入れをしていた私が誰よりも優位なのだと思っていた。
だって私は、彼がソードマスターになる前からずっと応援していたのだから。
──それなのに。