幽霊姫は止まれない!
 一語一句違わず告げられたその言葉に、私はぽかんとした。

「まぁ。お兄様の結婚? それはめでたいわね」
 王太子の結婚。そりゃそんな大事なことであればこのバタバタの騒動だって納得がいく。

(妃教育とかがはじまるのかしら)
 王族の婚約者であれば王族のプライベートな区画にも当然足を踏み入れる権利が与えられる、というかゆくゆくは住むことになるし、王太子の婚約者としての勉強を始めるとすればその学ぶ場所も当然ここだ。この場所が騒がしくなっても何も不思議ではないなと私は大きく頷いた。
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