幽霊姫は止まれない!

第三十八話 お兄様の結婚相手

「お相手は誰なのかしら。この国の貴族令嬢なのよね? 公爵家のご令嬢にお兄様と年齢が合う方はいたかしら……あ、確か宰相のご令嬢がお兄様のふたつ年上だったわね。最近離婚されたと聞いたし、もしかしてその方? でも王太子妃ということはゆくゆくは国母……リンディ国の王妃になると考えれば再婚ってのはいいのかしら。私はどっちでもいいんだけど……前旦那との間に子供っていた? オスキャル知ってる?」
「確かふたり、どちらも男児だったかと思います、エヴァ様」
「あら。ありがと」
 姉様ふたりの前だからか、いつもよりかしこまった話し方をするオスキャルにクスリと笑ってしまう。
(私の前でだけ砕けてることを、叱ればいいのか褒めればいいのかどっちかしら)

 王女とすれば当然前者だが、個人的には後者だ。だって私はいつものオスキャルがいいんだから。

 そんなことを考えながら、それと同時にこの騒動の理由に納得してしまった私は早々に興味を失う。もちろん王族として、そして兄の実妹として将来の義姉が誰なのかは気になるが、誰だろうと文句を言うつもりはなかった。
< 228 / 570 >

この作品をシェア

pagetop