幽霊姫は止まれない!
「そうね。とりあえず最初からかしら」
紅茶を一口、同時にこくりと飲んだ姉ふたりが話だし、私は慌てて姿勢を正す。
(気になる、どんな経緯なの……!)
高鳴る胸を押さえつつ続きを待っていると、どうしてか少し困ったようにふたりの姉が眉尻を下げた。
「実は経緯というほどのことはないんだよなぁ」
「えぇ。神殿からの使いだという女性は現れて、しかも聖女を名乗ったというだけなのよね」
「聖女?」
「あぁ。その自称聖女サマは自らを預言者だと言って、そして父上の怪我を予言してみせたんだよな」
「そうなのよ。そしてこの国をより豊かにするため、自らと兄様の結婚を提案してきたのよね」
「「なんでも未来はそうだと決まってるらしい」」
「まぁ……!」
自ら名乗り出る聖女。そのあまりにも怪しすぎることといったらない、が──
「怪我の予言、ね」
ぽつりと呟きハッとする。
兄との婚約話が出たということはその彼女が聖女、つまり〝預言者〟と認められたということだ。
それが意味する事実。
(お父様の怪我!)
「お父様は大丈夫だったの!?」
紅茶を一口、同時にこくりと飲んだ姉ふたりが話だし、私は慌てて姿勢を正す。
(気になる、どんな経緯なの……!)
高鳴る胸を押さえつつ続きを待っていると、どうしてか少し困ったようにふたりの姉が眉尻を下げた。
「実は経緯というほどのことはないんだよなぁ」
「えぇ。神殿からの使いだという女性は現れて、しかも聖女を名乗ったというだけなのよね」
「聖女?」
「あぁ。その自称聖女サマは自らを預言者だと言って、そして父上の怪我を予言してみせたんだよな」
「そうなのよ。そしてこの国をより豊かにするため、自らと兄様の結婚を提案してきたのよね」
「「なんでも未来はそうだと決まってるらしい」」
「まぁ……!」
自ら名乗り出る聖女。そのあまりにも怪しすぎることといったらない、が──
「怪我の予言、ね」
ぽつりと呟きハッとする。
兄との婚約話が出たということはその彼女が聖女、つまり〝預言者〟と認められたということだ。
それが意味する事実。
(お父様の怪我!)
「お父様は大丈夫だったの!?」